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中心市街地活性化のための最優先で実施すべき重要事業の提言


●最優先的に実行すべき重要事業●
「中心市街地活性化のための積極的な公的投資と民間活動促進支援事業」


 1.新発田駅前拠点づくり事業
 ・県立新発田病院の新発田駅前地区へ移転誘致の早期実現
 ・駅前商店街・住宅街・大規模空き地なども含めた総合的な再開発事業
 ・駅前広場、関連都市計画道路、駅東西道路等のアクセス関連道路整備事業
 
 2.中央産業振興拠点づくり事業
 ・新発田市の産業と都市のシンボルとして(仮称)産業センターの建設
 ・産業会館とその周辺地区の総合的な再開発事業の実施

 3.城下町歴史の道づくり事業
 ・清水園・寺町・新発田城址を結んで南北歴史軸として位置付け
 ・歴史軸の道と街の伝統文化と歴史を体現する歴史の道づくり事業
 ・新発田市都市及び田園景観形成計画策定と新発田市景観形成条例の制定

 4.中心市街地に定住人口回復のため公的住宅建設及び民間事業支援
 ・女性活躍都市のため子育て世代向け公的住宅及び子育て支援施設建設
 ・長寿活躍都市のため、高齢世代向け公的住宅及び高齢者支援施設建設
 ・高齢者ケア・子育て支援型民間住宅の建設及び経営への支援助成策整備

 5.都市型観光産業まちづくり事業の推進
 ・寺町などの伝統的街並みの保全修景事業と民間活動への助成策整備
 ・新発田川の水質浄化及び保全修景による水と緑の道づくり事業
 ・城址公園・商店街・新道・掛け倉飲食店街・清水谷・寺町等を結ぶ散歩道づくり事業

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第一章 「街づくり提言」策定にあたって


1.街づくり提言の必要性
・街づくりは行政、市民、事業者などの各主体が責任を持って協働する必要がある。
・新発田が21世紀に抱える諸問題に対応して、施策転換と新施策の展開が求められる。
・商工会議所は企業市民団体として具体的な街づくり施策を行政と市民に提言する。


2.新発田商工会議所の提言者としての基本的姿勢について
・商工会議所は、企業市民のリーダー団体として、産業の側面から行政に提言する。
・商工会議所は、企業市民のリーダー団体として、街づくりの実践活動を行う。


3.「街づくり提言」の位置づけと目的
・この街づくり提言の「街」とは、阿賀北地域中枢の新発田市の「中心市街地」である。
・新発田市は中心的政策として、「食料供給都市」の実現がある。
・当会議所は街づくり政策として「新発田新世紀ヴィジョン」(2000.1)を提言した。
・行政政策及び会議所提言を踏まえ、中心市街地活性化を目的とする緊急提言を行う。

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第二章 「街づくり提言」策定の背景


1.新発田市の人口減少と産業低迷により、都市の自立性が失われつつある。
2.郊外部の住宅地と商業の開発による市街地拡大が中心市街地の空洞化を招いている。
3.21世紀は人口減少・超高齢・食糧・エネルギー・環境などの都市問題が山積する。

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第三章 新発田市中心市街地街づくり基本方針


1.中心市街地の活性化は周辺地域のありかたと連動
・新発田市の中心市街地は、新発田市民のコミュニティの中心となる就業生活都心である。
・新発田市の中心市街地は、阿賀北地域住民の中枢拠点としての役割も重要である。
・中心市街地の活性化は、郊外部・田園地域のあり方と連動して施策を行うべきである。
2.コンパクトタウンの形成
・新発田の街づくりの基本理念は、21世紀型の「食料供給都市」を築くことである。
・そのためには、「コンパクトタウン」を街づくりの基本的な土地利用の方針とする。
・「コンパクトタウン」は「食料供給都市」・「環境保全都市」・「生活文化都市」である。
3.中心市街地街づくり目標と方針
対 象 目 標 方 針
コンパクトタウンの中心核                          中心市街地 生活文化都心づくり 住民が生活し易いまち誰もが働き易いまち人々の出会いのあるまち市民が誇りを持つまち

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第四章 中心市街地における具体的な施策の提言


1.「住民が生活し易いまち」づくり事業
安心して暮せる街づくり事業
@都心居住の回復事業
・公有地・民有地の共同有効利用により、都心居住の集合住宅の建設事業を進める。
・公的住宅(市営住宅、県営住宅、公社住宅等)の供給を進める。
・民間事業者や地権者たちによる住宅建設事業を促進する公的な助成制度を整備する。
A子育て世代・高齢世代まちづくり推進事業
・子育て世代が街の中で暮し働けるように、子育て支援の施設やシステムを整備する。
・高齢者が暮し働き易いように、高齢者健康施設、高齢者が働き易い事業所等を整備する。
B県立新発田病院の駅前地区移転促進
・県立新発田病院の移転先は、現在と同じように中心市街地の中で再整備する。
・その場所は、基本的には大規模空き地として現存する新発田駅前が最も望ましい。
・県立病院の整備と共に駅周辺の市街地整備と商店街の活性化を進める。
・県立病院移転問題は、県民・市民参画で移転計画策定と跡地利用計画策定を行う。
C公共公益施設ゾーン総合整備事業
・県立新発田病院の移転跡地を、周辺の公共公益施設用地や新発田城址公園とあわせて,一体的に公共公益施設ゾーンとして総合的な整備を図る。

2.「誰もが働き易いまち」づくり事業
(1)産業の生きる街づくり事業
@地域産業の生きるまちづくり事業
・地域産業を街の中で育てて、職住近接の街づくりを維持・再構築する。
・中心市街地に地域産業の工房ショップ群を展開することを図る。
A産業観光のあるまちづくり事業
・酒造・繊維・食品・ハイテク・印刷などの地域産業の、市民と観光客への公開を図る。
・工房ショップと公開産業群を中心市街地で展開し、そのネットワークを産業観光とする。
B産業振興拠点づくり事業
・地域産業を興すための中枢機能となる拠点の整備を、中心市街地において行う。
・事業化の手法については、民間主導による事業手法も視野にいれて検討を進める。
(2)都市型観光産業のまちづくり事業
・地域で育ってきた個性的な産業を、地域の文化としてとらえる「産業観光」を興す。
・その地域の文化を育ててきた街そのものを観光資源とする「都市観光」を興す。
・産業観光と都市観光を組み合わせて、本物の生活文化のテーマパークとする。

3.「人々の出会いのあるまち」づくり事業
(1)新発田駅前拠点づくり事業
・新発田駅前地区を、官民協働による総合的な再開発事業として都市整備を図る。
・商店街の再生、駅前交通広場と都市の顔の整備、県立新発田病院の誘致、都心住宅の建設、高齢者や子育て世代向け住宅供給、公益施設導入、幹線道路の新設再整備等を行う。

(2)生活型商店街づくり事業
・中心商店街の生活圏と商店街の関係について密接な関係を持つ商店街づくりを図る。
・集会室、学習室、学生・生徒の集まる場所、ボランティア活動拠点、街づくり活動や福祉活動グループ等の活動拠点とすることも図る。
・商店街の営業時間を市民の生活時間に合せるように変更することも検討する。
・長すぎる商店街をもっとコンパクトに線から面に再編成することも検討する。

(3)便利に動ける街づくり事業
@公共交通の便利なまちづくり事業
・公共交通機関を充実して、誰もが便利に動き易いまちづくりを進める。
・「街なか循環バス」(百円あるいは無料)の運行を検討する。
A自動車で動き易いまちづくり事業
・自動車アクセスし易い街として、中心市街地内の未整備都市計画道路の整備を進める。
・新発田駅の北側に鉄道を越える新たな東西道路を都市計画道路として検討する。
B散歩道のあるまちづくり事業
・娯楽飲食店街の楽しい「掛け倉・新道アーケード街」づくりを図る。
・住宅街と商店街を結んで安心して歩ける「街なか散歩道」づくりを図る。
・清水園から新発田城址まで結ぶ文化都市観光の「城下町歴史の道」づくりを図る。
・水と緑で憩いの「新発田川・水と緑の道」づくりを図る。

4.「市民が誇りを持つまち」づくり事業
(1)城下町・歴史の街づくり事業
@歴史の道づくり事業
・清水園から新発田西公園までの道路と沿道地区で歴史の道づくり事業として整備を図る。
・歩行者優先道路として歩き易く美しく改修を進めると共に、道路に面する建物等について城下町らしい景観づくりを進めるように整備を図る。
・ 商工会議所と行政とは「寺町・清水谷まちづくり協議会」等の市民団体と協同して事業実施にあたる。
A歴史的建築物保全事業
・歴史的な建築物や遺構などについて、市民の財産としてその保全につとめる。
・近世城下町の歴史的建造物に限らず、近代以降の新発田の歴史についても配慮する。
・保全活用のための行政からの誘導策や助成策を整備する。
B新発田城址公園づくり事業
・城址公園と県立新発田病院移転跡地をあわせて「歴史総合公園」として、歴史的な景観づくりを進め、観光、憩い、イベントの場とする。
・新発田城の三階櫓等の復元については、行政・市民・企業が協同して事業の推進を図る。

(2)水と緑の街づくり事業
@新発田川・水と緑の道づくり事業
・新発田川を市民生活の潤いの場とし、来訪者との交流の場としても整備する。
・河川修景、川沿い道路改修、遊歩道整備、沿道沿川の景観整備を図る。
・川魚の放流、小舟による川めぐり、川開きイベントなど市民が親しむ川として整備する。
A緑いっぱいのまちづくり事業
・公共空間に緑を多く導入して、「森のまち新発田」のイメージを新たに創造する。
・緑に包まれた駅前広場、連続する街路樹、寺社の杜や公園、街角小公園、住家の庭など、緑の回廊とネットワークを中心市街地の中に設ける。

(3)誇りを持つまちづくり活動事業
@新発田自慢づくりイベント事業
・新発田の街の誇りになる新発田発見イベントを、市民・企業・行政が協同して行う。
・絵画コンクール、商店街の中で展示、表彰イベントなど街づくり資源として生かす。
Aまちづくり活動起し事業
・まちづくりは市民(企業市民も含む)と行政とのパートナーシップの事業であり、これからは市民(企業市民も含む)が積極的にまちづくりに参加することを図る。
・企業市民群がその主体となり、自らが資本投下を行い活性化の中心的役割を担うことも時には必要であり、そのために商工会議所と行政は、支援助成のための方策を整備する。

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第五章 土地利用に関する都市計画への具体的な施策の提言


1.西新発田駅周辺地区開発の見直しの検討
(1)人口配置計画の見直しの検討
・計画が進められている西新発田駅周辺地区組合施行土地区画整理事業は、中心市街地から人口移動を推し進めることになる恐れがある。
・市街地における人口配置のあり方からの、西新発田駅周辺地区開発における人口のあり方など、政策の再検討が必要である。
(2)商業配置の見直しの検討
・計画において広域大規模商業開発と南バイパス沿道商業立地があるが、環境と景観に問題をおよぼし、中心市街地の商業環境の空洞化を更に推し進めて便利な生活圏の崩壊が進む恐れがある
・商業開発を新発田中心市街地の都市環境問題としてとらえて、見直しを行うべきである。

2.都市計画の見直しの検討
(1)都市計画マスタープランの見直しの検討
・「新発田市都市計画マスタープラン」は、新発田市の人口増加に対する市街地拡大が根本的な考えかたとして示されているが、今後の高齢少子社会における人口問題と市街地の配置のあり方から、21世紀に対応する街づくりにするよう見直すべきである。
・食料供給都市としての豊かな大地の保全施策と、地域産業を街づくりの一環として活かす施策を、都市計画マスタープランに位置付ける必要がある。

(2)都市計画指定見直しと新たな計画制度の導入
・「用途地域」指定、「市街化区域」と「市街化調整区域」の範囲の見直しを図る。
・市街化調整区域において土地利用をコントロールする「地区計画等」指定を図る。
・「特別用途地区」、「地区計画等」あるいは「特定用途制限地域」の積極的な導入を図る。
・「新発田市都市及び田園景観形成条例」などの、市独自の新たな制度の制定を図る。

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第六章 街づくりのための行動方針(商工会議所として)

1.行うべきことから戦略・戦術をもって優先順位を付けて提言する
2.行政計画との整合性と調整を図って提言と実践を行う
3.活動している市民や市民組織と連携を図って実践する
4.市民にアピールするように十分な戦略をもって進める
5.行政の計画をすばやくとらえて、すばやく行動を行う